ヨーグルト・プリン工場見学(2016年6月23日)(2) [イベント]

南京探訪第31回として6月23日に開催されたヨーグルト・プリン工場見学のレポートです。3本あるレポート2本目です。


名丸旺工場見学報告レポート

 2016年6月23日、南京名紅旺食品有限公司の工場見学に伺った。
 日本企業の株式会社なとり、丸紅株式会社、そして中国の旺旺集団との合資によって、2012年に設立されたのがこの南京名紅旺食品有限公司である。今回はその生産工場を見学させて頂いた。

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 工場は旺旺集団の広大な工場敷地内の中にあった。日本の工業地帯と比べるとここは一棟一棟の間隔も広く、住民の生活圏から完全に分離しているように建てられている。中国の国土の広さがそうさせるのか、それともまだ開発予定があるスペースなのかもしれない。
 この日はいかフライ・タラシート・チーかま3種類の商品が作られている現場で見学および解説を聞いた。建物の3階にある廊下を歩き、両サイドの窓から下の階にある生産現場を見下ろせるようになっていた。作業現場と見学スペースは空間的には完全に遮断されているため、見学者の所持品チェックなどはなく、靴にカバーをかけて簡易的な準備のみで行われた。3種とも熱加工をする製品であるため、工場内は気温と湿度が極めて高く、廊下の窓は結露の水が滴っているほどだった。
 最初は揚げ物の作業現場から見た。衣を作り、いかにつけ、フライヤーで揚げた後自動冷却をして、2度目の味付けをして完成、という過程で製造しているそうだ。次はタラシートの製造。といっても、中国では主にタチウオが原料に使われているという。製造工程は、原料を練り、シート状に伸ばしてから乾燥させ、含まれる水分を35%までにした後、200~300度で焼き目と“ハッポウ”と呼ばれる気泡の膨らみを作って完成となる。この“ハッポウ”は食べたときにフワッとした食感を出すためのポイントとなっていて、製品のこだわりなのだという。伸ばされたシートは全長約250mあり、それを機械が流しながらカットしていく。カットされたシートは人の手によって重さを量る。1枚60gを基準にし、基準をクリアしたものはそのまま重ねられていくが、クリアできなかったものは水分過多を見込んで再加熱する。それでも基準値に達しない場合は廃棄となる。最後にチーかまの製造過程を見た。原料を練った後蒸し器に入れ120度5分間で殺菌がされる。これもパッケージなどの作業は人の手で行われていた。
 作業ライン全体に工員が配置されていて手作業も多いという印象があるが、廃棄率は2~3%で日本とほぼ変わらないという。チーかまは特に小骨がビニールに穴を開けてしまうなどの廃棄原因があり、生産ラインだけでなく下処理の段階にも製品の品質に影響する要素があるのだという。
 名丸旺は日本市場のための委託生産ではなく、中国国内での販売を目的としているため、マーケティングや商品開発も日本とは違う課題があるという。たとえば、なとりは食品メーカーの中でも「おつまみ」の部門で商品を作っている。しかし、中国にはそもそもお酒を飲みながらスナック菓子を食べるという習慣がない。中国にはいかフライのような揚げ物系のスナックは珍しく、私自身中国のスーパーで目立つところに積まれているところを見るものの、彼らに「つまみ」という認識はないようである。

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 今回私はこの名紅旺工場の見学に当たって、中国国内市場のための生産工場であるということを意識しながら製造過程の紹介と解説を聞いた。近年では中国でも食の安全に対する関心が高まりつつあり、食品生産の現場を利用者に対しても可視化させる事が求められてくるのではないかと私は考える。名紅旺の工場内はすでに見学者を意識した作りもあり、工場見学の受け入れは工員の仕事に対する考えや取り巻く環境の変化も期待できるだろう。(E.H)

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