中国の「黄門様」 [日記]

中国の「黄門様」

あの超長寿番組「水戸黄門」が終了した。二人のお供を連れて日本全国を回り、悪役人どもをやっつける姿はもう見られない。ところが、中国にもよく似たテレビドラマシリーズがあるのだ。「康煕微服私訪記」というのがそれである。10年間ほど続いて、現代中国の役人天国を皮肉っていたので、老百姓には結構人気があったシリーズである。主演の康熙帝には張国立が扮している。
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清朝の康熙帝がお忍びで二人のお供を連れ中国全土を巡り、貪官汚吏を懲らしめるというストーリーで、最後の場面で自分の身分を明かすこと、二人の強いお供というところまでそっくりである。いやいや、お風呂のシーンはないものの「お銀」さえ登場する(武芸に優れた康熙帝の妃の一人という設定。この女優は張国立の奥さん)。このプロデューサーは「黄門様」を見たことがあると断言してよい。

違いは一つだけ。悪人どもを処断する時、黄門様は「○○殿、後は任せましたよ」とその地の大名に処断をゆだねるが、康熙帝は自ら処断を行うのである。つまり、黄門様はその地の領主の自治権を尊重するが、中国全土を支配する唯一者の康熙帝は自ら断を下すのだ。うがった見方をすれば、アジア的専制王朝と中世ヨーロッパによく似ていたと言われる日本の封建社会=地方分権社会の違いが、こんな娯楽番組にも反映されているとも言えるのだ。

まあ、荒唐無稽の娯楽番組に対してかたぐるしいコメント(四十七士の討ち入りには雪が降っていなかったとか、真田幸村の名前は幸村ではないとか、義経は美男子ではなかったとか)をするのは野暮というものだが、こんな見方もできるというお話である。

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