硬臥(二等寝台列車)の旅 [生活]

 私事ですが1984年から85年までの一年間北京に留学しておりました。 小生は長期休暇になる度に旅行に出かけていたのですが、主な交通手段は鉄道でした。
 毎回長距離移動になるのと宿泊費節約のため、よく寝台列車を利用していたのですが、勿論お金がないので一等寝台の『軟臥』ではなく、二等寝台の『硬臥』ばかりです。
 いつもの事ながら同じ車両の中国人たちが次から次へと話しかけて来くるので、拙い中国語を駆使して会話の練習に励みました。 こうして長い旅でも時間はあっという間に過ぎてゆきました。
 当時は文革が終わって十年に満たなかった頃で、外国人が非常に珍しかったのでしょう。 また胡耀邦総書記(当時)の親日的政策のお陰で、日本人であれば行く先々で歓迎を受けました。 
 そんな良き時代が確かにあったのです。

 そんな訳で、小生は学生時代から硬臥には乗り慣れていたので、就職してからも中国の地方へ出張する際は時々この硬臥を利用しておりました。
 先日深圳へ出張する時も、久しぶりに硬臥のチケットを購入して片道約24時間の旅を楽しんでみたのですが、車両の作りはほぼ当時と変わっていません。

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 ここで、小生が硬臥を利用する場合、注意しているポイントを下記してみたいと思います。

 ①硬臥は上・中・下の三段(上鋪・中鋪・下鋪)に分かれていますが、上鋪はかなりの高さなので慣れない人は上鋪は避けた方が良いでしょう。
 ただ、照明の位置が近いので、寝ながら本を読むには上鋪も悪くはありません。
 (因みに、一等寝台の軟臥であれば上下の二段なので、特に高さの問題はないと思います。)

 ②荷物棚のスペースが限られているので、荷物の多い方は早めに乗車して自分のベット近くの場所を確保した方が良いでしょう。
 (下段ベットの下にもスペースがありますが、ここに収納すると多少荷物が汚れます。)

 ③車中で盗難にあった事はありませんが、就寝時は貴重品は枕元に置くか、体に身につけるようにした方が安全です。
 現金は二つ以上の財布に分けて保管し、パスポートはコピーを取っておいて念のため別のカバンにも入れておいた方が良いでしょう。

 ④20時間を越える長旅の場合、1.5リットルくらいのミネラル・ウォーターを持ちこんだ方が良いでしょう。
 (なにしろ中国人の旅客は後先を考えずに水を消費するので、翌朝は水が無くなって洗面や手洗いに困ることがよくあります。)

 ⑤各車両に給湯器があるので、携帯用のコップや茶葉・インスタントコーヒーなどの飲み物を持ってゆくと良いでしょう。
 また、カップ麺を一つ携帯してゆくと、食事時間以外にお腹が空いた時に重宝します。

 ⑥食事は弁当やカップ麺を売りに来るので、それで間に合わせれば良いと思います。
 列車の真ん中辺りの8号車近辺には食堂車もあるので、旅情を楽しみたい方は利用してみて下さい。

 ⑦夜の就寝時には消灯されるので、眼の悪い方は携帯用のライトを枕元に置いておいた方が良いでしょう。 また、夜間にトイレに行く時には自分たちのコンバートメントの位置を確認し、出来れば目印になるようなものを残しておくと良いでしょう。
 (暗がりなので、戻るときには自分のベッドの位置がわかり難くなっています。)

 ⑧トイレに紙は備えつけられていないので、必ずちり紙は携帯して下さい。 また、タオルや洗面用具も必携アイテムです。

 ⑨最近は旅行者が増えて寝台席の切符も取り難くなっています。 今では全国の切符が買えるし、また切符の買い取りや『改簽』(日付変更)も出来るので、早めのチケット購入をお勧めします。
 (最悪二等座席の『硬座』で一晩過ごさなねばならないとしたら、小生でもチョット勇気が必要です。)

 ⑩列車での旅行に限りませんが何か事故が起こった場合に備えて、旅先のエリアを管轄する領事館の連絡先はメモしておいた方が良いでしょう。


 ざっとこんな感じでしょうか。

2012南京⑦ 047 (640x480).jpg

 まあ、小生としては特に若い学生さんたちに是非硬臥の旅を楽しんでもらいたいと思っています。
山間部などをユックリ走る在来線の車窓からは、高速鉄道からでは窺い知れない中国の本当の姿が垣間見える筈ですから。
 それでは気をつけて、いってらっしゃい! (AK)


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