麻婆豆腐と麻辣豆腐 [生活]

麻婆豆腐と麻辣豆腐

陳健民さんのおかげで、日本では「マーボードーフ」は庶民的中華料理の代表になった。マーボードーフすなわち麻婆豆腐は、清朝末期に四川省成都の劉おばさんが発明した料理で、このおばさんのあだ名、麻婆(あばたのおばさん)を取って麻婆豆腐と言われるようになった。

ところが、中国の料理店のメニューを見ると、いわゆるマーボードーフの表記には二種類があるのだ。一つは麻婆豆腐、もう一つは麻辣(マーラー)豆腐である。皆さんは気づいただろうか。麻辣豆腐は「麻」すなわち山椒のしびれるような辛さを表し、「辣」は唐辛子の辛さを表している。では、なぜこのように二つの表記があるのだろうか。
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いろいろ調べてみると、それぞれまったく異なる由縁が出てきた。

近くの四川料理店の女の子の説明―「お肉が入っているのが麻婆豆腐。入っていないのが麻辣豆腐」

趙紫陽のブレインだった厳家其の著書『文化大革命』の中の説明―「紅衛兵が『麻婆豆腐』という名称は封建時代の遺物であるという理由で、『麻辣豆腐』と無理矢理変えさせた」

ほかにも話はあるらしいが、どれも信用できるようで信用できない。それで、私(編者)は成都の元祖麻婆豆腐の店、マーおばさんの店である「陳麻婆豆腐店」に行ってみた。そこで、店の服務員に聞いてみると、

「麻婆豆腐と麻辣豆腐は同じもの。でも、本当は麻婆豆腐という名称はウチの店でしか使えない」とのこと。つまり、「味の素」と「化学調味料」の関係、つまり固有名詞と普通名詞の関係だったわけである。当時はもちろん「商標権」などというものはなく、他の店も勝手に麻婆豆腐という名称を利用したわけである。そして、ほんのちょっぴり良心の咎めを感じた店は、やや似ている麻辣豆腐という名称にしたのかもしれない。

いや現代でもあるかもしれない。バイクの「HONODA」とかスポーツ用品の「ADADAS」とかね(注意して読んでね)。





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